チキンカツのある生活

ずっとマッシュルームでいいのに

 マッシュルームにパン粉をまとわりつかせ、油でからりと揚げたものを口に頬張ると、きのこ独特のエキスが口の中に広がり、それはまあ、とっても美味しい。いわばおまけのようなマッシュルームのその味に私は驚き感動し、思わずこぼしてしまう。「ずっとマッシュルームでいいのに」と。

 

活字中毒

 この世に生きる人を活字中毒者かそうでないか大別するとしたら、たぶん私は活字中毒の部類に入るのだろう。本を読むし、読んだことのない本が家にないと結構動転するし、出かけるときは本を二冊持っていきたいし、食事中はソースの裏の成分表なんかを読んでしまう。

 それで今日私はカツを食べながらドレッシングのラベルを読んでいたのだけれど、それはドレッシングというより大根おろし風味のたれで、存外、美味しいことに気づく。カツを食べているのに、おろし風味のたれをかけて食べているのに、一方で私はステーキを食べたいと思っている。ラベルに書かれている「こんなときに使うよ!」レパートリー。その一つがステーキで、切り口が赤々としたステーキの絵がとても美味しそうだったから。おろしドレッシングをステーキにかけて食べたい。まったく、罪深いな。