プラタナス

 プラタナス。学名はPlatanusで、スズカケノキスズカケノキ属に属する植物の総称。落葉広葉樹で大きな葉が特徴。確かに茶色く乾いた葉が地面のあちらこちらに落ちていた。プラタナスの葉っぱは大きい。私の手は小さい。

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 園内ではカエデの紅葉や秋のバラ、菊が盛況で、確かに人が賑わうのもわかる、鮮やかな草花の色彩はわかりやすく目に飛び込んでくる。事実、私も夢中でカメラのシャッターを切った。ウルスラがカラスに「あんた綺麗だね…」と語りかけるように*1。その色鮮やかさは記憶に残るものの、「一番良かったものは?」と聞かれたら、おそらく「プラタナス」と答えるのだろう。印象派の絵のような、点描で描いたらきっとうまく表現できそうな、緑と茶の葉のコントラストがとても綺麗だった。また、スッと背筋を伸ばして等間隔に整然と並ぶ様は惚れ惚れするほど美しい。落葉樹である為、きっと12月を待たず葉を落としてしまうだろう。ちょうど季節の移り変わりの時期に訪れることができて良かったと思う。

 実はこのプラタナスを訪ねる前に、有名な銀杏並木*2を通ってきたのだが、平日にも関わらず輝ける黄色を求めたくさんの人で賑わっていて、どこもかしこも写真写真写真、映え映えのごった煮状態だった。かくいう私も邪魔にならぬよう銀杏並木を撮っているのだから人のことは言えないが、そんなに写真を撮ってどうする、映えを求めてどうすると呆れるのも確か。そんな銀杏並木も大変美しかったが、プラタナスも負けていないぞ、でも、人はまったくいない!がはははは、と己の手柄でもあるまいに、一人ふんぞり返っている私がいる。がはははは。

 そもそも今までプラタナスを意識したことはなかったわけで、今日その魅力を新たに知ることができて良かった。訪れた公園は今日の目的地の1つではあったけれど、プラタナスについては知る由もなく(紅葉のシーズンであることも秋バラが公開されていることも忘れてたしまったく知らなかった)思わぬ収穫と言えよう。こういう僥倖があるので出かけるのはやめられない。平日の公園は最高なのだ。

*1:宮崎駿監督の『魔女の宅急便』より。余談だが、森の中にぽつんと立っているウルスラのアトリエ小屋が私はとても好きだ

*2:明治神宮の銀杏並木