小島を切り崩す
それはとるにたらないことなのだと
気づくことから始めてみたら?
ホワイトソースの海に黄金色の卵の島
かけられたチーズはとうに冷め 固くなりつつある
とるにたらない存在なのね私って
ぼそりと呟く
対峙する相手は悪魔的な笑みをたたえ、私を見つめる様はどこか楽しそうだ
そうだよ、その調子。そうやって自分に言い聞かすのさ。(ははは)
同じく冷め切った なんだっけ そうそう ラザニアだ
そのラザニアごとゴミ箱に放った女を知っているのだけど
私 ふざけんなって思った
そんな女になるのは悔しい
銀色のスプーンをぎゅっと持ち直す 皿の上に浮かぶ小島を切り崩していく
とるにたらない意地くらいは持たせてほしい
でないと私はいよいよ崩れてしまうのだから