ハリネズミのぬいぐるみとヤドンのぬいぐるみ。私が持つ、たった二つのぬいぐるみだ。ヤドンはいつも、机の上に並べた類語辞典と古語林とドイツ語の辞書と新明解と新字源の上に乗っけている。構ったりはしない。抱きしめることもない。一緒に布団に入って眠ることもない。私はぬいぐるみが好きでもなければ、嫌いでもないのである。じゃあどうしてヤドンのぬいぐるみを持っているかって？ぬいぐるみを買ってみたかったから。それでぬいぐるみ欲は満たされてしまった。
書くこともなく鬱々とした気持ちの私は、手を伸ばしてヤドンを取ると、おもむろに頭の上に乗せた。この文章は頭の上にヤドンが乗っかっている状態で書いている。笑う。結構安定している。多少頭をゆらゆらしても落ちる気配がない。えへへ、可愛い。ヤドンの体長は1.2m（重さは36㎏）なので、頭の上に乗せるなんて到底無理なんだろうけど、そういやポケモンは生まれた時から成獣（成獣と呼ぶのか？）と姿形は変わらないのだろうか。ふむ。私はヤドンを枕にして眠りたい。
退屈だな～と思っていたし、今日は書くことないわ～と悲しくなっていたのだが、ヤドンを頭の上に乗せたらなんだか愉快な気持ちになってきた。我ながら素晴らしい思い付きである。憂鬱な時はヤドンを頭の上に乗せるといいよ。肩の上に乗せてもいいと思うよ。おすすめ。
