星を繋ぐ

 一人焼肉、海、電車、ノートをそれぞれ繋ぐ。

 

一人焼肉

 やりたいこと、行きたいところ、買いたいものなどを思いつくたびに、忘れないようにノートにメモしている。出かけたいけれど、行きたい場所が思いつかないとき、私は書き記しておいたリストを読み返して外に出る。今日は「一人焼肉がしたい」を実行する日。

 午前中からやっている酔狂な店を見つけ(朝焼肉なるメニューもあったから驚きだ)足を踏み入れると、やたら先進的かつ合理的、店のシステムにただただ圧倒されてしまった(この店についてはあとで存分に日記に書かなければならない)。

 ネギ塩カルビ一人前。ご飯とわかめスープとキムチ付き。ご飯は無料でおかわりできるとのことだったので、おかわりもしてしまった。おいしかった。

 だけど。次、また一人焼肉をやるかというと、正直微妙なところだ。一人だと焼くことと食べることの両方を考える必要があって、両方を同時にこなしてわかったことだけれど、焼くときは焼く、食べるときは食べる、と区切ったほうがそれぞれの行為を楽しめるみたいだ。

 

 海へ行く。

 

 砂浜の紋様はずっと見ていられる。海岸植物も好き。

 

 波が引くときのきらきらが好きで、たくさん写真を撮ってしまうのだった。

 

 本気のお出かけのときはレジャーシートを持ち歩いていて、ようやくその子の出番がきた。砂浜にシートを敷いて、少しまったりとする。太陽が体を温めてくれるので寒くはない。

 ビーチバレーの練習に勤しむ人たち。一つしかないバスケのゴールで1on1をする少年と少女(少女の方が一枚上手だった)。飼い犬のトイプードルをひたすらよしよししているおじさん。色々な人たちがいた。

 

 橋の上から。

 

電車

 乗ったことのない路線の電車に乗る。拓けた大地の遠く向こうに山々が見える。雄大な眺め。初めての路線だけれど一気に好きになる。

 私の両隣の席が空いている。それ以外の席は埋まっていて、なんだろう、顔に変なものがついているとか、衣服がそんなに怪しく見えるのだろうとか(至って普通の服を着ているつもりなのに)考え始めると落ち着かない。色々と考えた結果、もしかして、私だけスマホをいじってなかったからか、と納得する。確かに私以外の乗客は大概がスマホの画面を見ていて、残りは眠っていて、私はそのどちらでもなく、ぼうっと車窓の景色や車内を眺めていた。自分が席を探している側の人間だとして、確かにぼうっとあらぬところを見て考え事をしている人間の隣には座りたくない気もする。自分に意識を向けられるのが嫌だから。

結局、終点まで私の両隣の席に人が座ることはなかった。私は電車では滅多に寝ないし、スマホのバッテリーがなくなるといざというとき困るから、なるべくスマホを操作したくないのだ。

 

ノート

 使いかけのロルバーンの終わりも見えてきたので、次に使うロルバーンを買う。ロルバーンは柄がとにかく豊富で飽きることがない。素敵。普段私はそれをメモ帳として使っている。大体800円から900円ぐらいという値段設定も憎い。訪れた店で、何を血迷ったか3000円ぐらいのロルバーンがあり、デザインも良くて買いそうになって、なんとか押しとどめた。3000円ならロルバーンじゃないノートを買う選択肢もあるので。

 

 朝起きたときはとにかく憂鬱で、出かけない方がいいのではないかとか、どうせ面白いことなんて起きないしとか、考えてしまい、思考を強制的に停止、かつ反射的に家を飛び出たけれども、いつも通り楽しいお出かけで満足。この1年どうだったとかそういうことは振り返らない。望み通り自分をからっぽにして、帰路についた。