アフォガード

スマホのアラームで目が覚めると、掛け布団の滑らかさを肌で感じぎょっとする。足をばたばたと動かすとそこに熱が生まれ温いと感じた。連日のじめっとした暑さから打って変わって肌寒い朝だ。

ここのところ就寝時間が遅い。それでも24時前後には眠っていて、他の人に比べれば「そんな、それは遅いとはいえない」というものかもしれないが、個人的には遅く感じる。

就寝時間が遅いということは調子が悪いということで(逆とも言える、調子が悪いから就寝時間が遅くなる)それでもようやく回復の兆しが見えてきた。明日明後日はもっと早く眠れてほしい。

それはさておき、つまり睡眠がやや不足しているので、目が覚めても頭がぽやぽやして眠たいわけである。そして布団の温み。肌に触れているところは温かいけれど、それ以外は無関心に冷たく、うむ、これはアフォガードだ(バニラアイスにエスプレッソをかけたやつ)と思ってる私の脳はぜんぜん動いていない。

時間が迫っていた。名残惜しくも掛け布団を蹴飛ばすと、室内が存外冷えていることに気づき急いで支度を始めた。

 

眠気をそのまま持ち出したみたいだ。脳が動かない。迷った挙句長袖を引っ張り出して袖を通し外に出ると、空気が乾いている感じがした。

歩きながら、薄れていく眠気の感覚と風の冷たさを味わう。すると唐突に「なんだか幸福かもなこれは」という気持ちがやってきて、それだけ。幸福というのは瞬間的なものであってほしいなと思う。ボーナスステージのような。