本の帯

 ジュンパ・ラヒリ『わたしのいるところ』の帯をハサミで切り、2021年5月7日(金)の日記に貼り付けている。大概、書籍の帯は捨てるのだが、この本に限っては捨てずにずっと付けていたし、付けたままでは劣化も激しかろう、ノートに糊付けしてしまえと思ったのはこの本の帯が初めてだったと思う。私は帯は捨てる派だ。

その孤独が、いつか背中を押してくれる。 

  帯に書かれているこの言葉に救われている。ああ、孤独って悪いものじゃない、と思える。確かに孤独は私をたくさんの場所に連れ出してくれている気がした。誰とも群れず、私は一人で世界を見ている。おそらく人間誰しもそういうものだし、人に囲まれているからこそ、人と関わるからこその孤独というのもあるはずだが。他の人は孤独について教えてくれない。だから私はめそめそと孤独について考えているというわけ。偉大なる哲学者の著書を読むのは面倒。読まないと駄目だと思っているけれど、私は今、楽になりたいの。

 弱気になることがある。意味なんてないとわかっていながら、意味を求めてしまう自分の弱さが沼となって足元からぐずぐずと沈めようとしてくる。今日もそういう日だったから、私は歴代の日記を並べている棚から日記を取り出し、5月7日のページを開く。