冷蔵庫の中の舞茸はカラカラに乾いていて、舞茸のむにゅっとした感触は見る影もない。それでも、水を含めば多少は戻るかもしれないし、何より、干した舞茸を食べようと試みるのは初めてだから、私はそれを焼きそばの具に使うことにした。
焼きそばの麺をフライパンにぶち込み、舞茸と水を入れてほぐす。特に何かがあるわけではない。味付け。
器によそい、一口食べてみる。舞茸の本来の柔らかさの、そうだな、8割くらいの食感で、味が少し変化していた。舞茸の旨みがぎゅっと濃縮されたような味わいがした。これも悪くはない。
でも、と私は言葉を続ける。完全な舞茸が食べたいな。暑くて使ってなかったクリームパスタでも作りたいな、とも。