暑い。真夏と同じぐらい暑い。が、風は吹いている。が、暑い。
太陽は南中を過ぎている。光の色が、夕暮れのそれになる。私はその色を見て物悲しくなり、そういえば、と、Spotifyを立ち上げると検索バーに「色のない世界」と打ち込み、ヒットした曲を再生する。リピート再生をタップすることを忘れずに。
この曲が流れるフィールドは、確かゲーム内時間では夕方に固定されていて、それはもう、とても美しかった。
真っ白な砂が、朽ちつつある集落を包み込もうとしている。私が今歩いているのは、川沿いの、なんてことない町だけども、心は、そういうモードだった。朽ちつつある。
これから、美術展を観るつもり。色は、ある。その瞬間はなかっただけで、たぶん、戻ってくる。