急く

 元来、元気な人間である。なので自分の体調面に意識を割くということをしたことがなかったな、とふとしたときに思った。対して最近の私はメンタルの調子にめちゃめちゃ気を遣っているなあとも思うのだった。

 それもこれも、落ちると落ちた後のリカバリが面倒、時間は有限、落ち込む時間が勿体ない、というマインドセットのせいだろう。ノートにも「また落ちた。そんな自分が嫌だ」みたいなことを書いてきたから、書く度に強化されていったのだと思う。

 一日の終わりが近づくと私のMPはすっからかんになり、何かをするという気力が沸かないときもざらなので、最近は日記めいたものは朝起きて一番に書くようにしている。昨日どんなことをしたのか、どんなことを見聞きしたのか、どんなことを面白いと感じたのか、内容はそんなところだ。もちろんそれ以外のことを書くこともある。

 意識してそうしていたわけではないのだが、自然と最初に書くことが似通っているのが面白い。すなわち「今日の調子は良い/悪くない/悪い」。ちなみに今日は「悪くはないが急いているところがあり、朝からやけに活動的なのでむしろ良くないと思う。気をつける」である。良すぎても駄目、悪くても駄目。心の調子というのは保つのが難しく、やりがいがある作業だ。

 スケジュール帳をぱらぱらとめくる。予定というよりは出来事を書きつけているので、1か月の重みがそこにある。一日は一日で、それでとりあえずは完結していて、前に早く進むこともゆっくり進むことも自分の意のままに調節することはできないもので、私はそれを「監獄みたいだ」と思うこともあれば「ありがたい有限性」と思うこともある。時間に対する評価は時と場合により、評価が変わりうるということそのものが自分という人間の持つゆらぎで、そういうことを考えているということは、今日はやっぱり思考が過剰に回り気味で思考以外のものが(感情も含め)追いついていない日なのだろうと思う。