多摩川河口

 Zepp Hanedaに用があったので(夜公演)朝から張り切って家を出る。行ったことがない羽田エリアを歩いてみたかったのだ。蒲田駅で下車して、京急蒲田都道311号環状八号線、通称「環八」の端点まで歩く形になりそうだった。糀谷駅辺りで環八から逸れて住宅街に入り、直進。やがて多摩川にぶつかる。

 川は連続していてそれに沿って人間も生活を構築しているわけだけど、上流と下流の川の景観がまるで異なるように、町の様子もグラデーションで変化していく様を見るのが面白い。本当は上流から下流へと一気に通しで見てみたいけれど、人間の体力はそれに耐えられないし(自転車ならある程度一気に通せるだろうか)時間も有限だしどう考えてもお腹いっぱいな気がするし、切り分けられた点を結びつける形で補完するしかない。

 

 50キロねえ…。

 

 正面に見えるのが、渡りたかった橋ひとつ目である大師橋

 

 歓喜宇多田ヒカルの「Somewhere Near Marseilles -マルセイユ辺り-」で気分を上げていく。ここはマルセイユではなく東京都大田区と神奈川県川崎市のはざまだけど。川があり、水があり、頭上には何物にも遮られない空があるから橋が好きなのだろうと思う。橋の上には空がある。

 

 

 なおも散歩は続く。川崎側の河川敷を歩く。葦(だろうか)がかなり広範囲にのびのびと生息していてテンションが上がる。綺麗。彼方に見える建物は羽田空港。飛行機も見える。

 

 メルヘンタイム(訳:蒲田駅改札前のメルヘンのサンドイッチを食べる時間)。

 

 奥に見える橋が、渡りたい橋ふたつ目の多摩川スカイブリッジ。

 

 了解である。

 

 気持ちがいい橋である。多摩川河川敷を大田区側から川崎側(はたまた逆)でぐるっとまわることができて、サイクリストも多い。歩行者と自転車でゾーンが区切られているだけでなく、自転車側が一段下がっている橋は初めて見たかも。まだまだできて新しい橋である。

 

 この先、多摩川に架かる橋はない。テンションが上がる。

 

 飛行機、空港、これは山下達郎の「RIDE ON TIME」じゃろと思って(ドラマ『GOOD LUCK!!』の主題歌)Apple Musicを探すも、そうだった山下さんはサブスク展開しないのだった、と脳内でイマジナリーRIDE ON TIME東京スカイツリーも見える。

 

 橋を渡り切って、さて、やることがなくなった。それではと空港を散策しようかと思って右に折れたが最後、新整備場のあたりに迷い込んで散々なことになったが(地図アプリで調べなかった私が悪い)どうにか第二ターミナルにたどり着いて空港散策。ただ、それは別の話。