暴風カラオケ大会

十年に一度と呼ばれる寒波に包まれる日本列島。何故かハイになってしまい、夜の散歩へと出かける。風で引っ叩かれているような、時折強い衝撃を感じる。街路樹の小枝が弾け飛んだのか額に当たった。私は「あっぶね」と声に出してゲラゲラ笑う。痛みで肌がひりついている。メガネをかけているからそこまで気にしていないけど、目に当たったらただでは済まなそうな気配である。

人もいないし、風は強くて寒いし、AppleMusicで華原朋美I BELIEVEをかけて私も歩きながら歌う。かがやーくしろーい、こーいのはーじまりはー、である。風の音が強すぎて、耳元の音楽も自分の声も聞こえず、喉の震える感覚をただ楽しむ数十分間の散歩。T.M.RevolutionWHITE BREATHもいいね。わたしは歌えないけど。風が吹くときだからこそ聴きたい、歌いたい曲があるというものである。