パズル

パソコンがぶっ壊れたのでしばらくはスマホでブログを書くしかない。この事実に私はさめざめと泣いている。キーボードというインターフェースを愛しているのだということを失ってから気づいた。いや、失う前から気づいてたけど。楽器を弾くみたいに私はいつも文章を書いていた。スマホのフリック操作では得られない高揚感。恍惚。ああ、愛しのキーボード!

そういえばジグソーパズルを買った。飛躍! とにかく買った。かねてからジグソーパズルをやってみたかったのだ。できることなら趣味にしたいと思っていて、私たち、いい感じの関係になれそうな予感がしている。

まず、素敵なことに、ジグソーパズルというのは箱に入っている。なぜ! とにかく箱に入っていて、私は箱が好きである。素敵なことその1。

パズルは選べる。たくさんの絵柄の中から私は好きなものを選ぶことができる。コナン君は嫌だ(名探偵コナンのパズルがあった)。ジブリも嫌だ、ディズニーも嫌だ。お城も嫌だ(日本のお城のパズルだ)。そうして私はパズルをとにかく選んでいく。この中にあるものの最善を選ぶことは、すなわち自分の心を問うということで、その時間は何にも変え難い。楽しい。本を選ぶことに似ている。パズルは本より少ない。だからもっと気楽に選ぶことを楽しめる。

パズルは気が紛れる。ジョギング水泳筋トレパズル。自分について考えなくていい時間を実現するための手段は率先して得ること。

パズル的思考。結局一つひとつはパズルのピースでしかない。コツコツ気が向いた時にやる。その繰り返し。ピースひとつをはめることに集中してその先は考えない。そして気がついた時に大きな絵になっているということ。

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私は青色が好きで水が好きでカラフルなものが好きなので「モネの池」という岐阜の方に実在する池のパズルを買った。300ピース。鯉の背鰭、藻の揺らめき、水面の波紋。ピースをはめるためには些細な特徴も見逃さないこと。世界が細分化され拡大する行為。