メモランダム vol.6

貧血(仮)

 PMS月経前症候群)の自覚症状がないのでおそらく何もないのだろう、むしろ生理明けに調子悪くなる傾向ないか私、と思っていたら、あ、なるほど、貧血か? と気づく。貧血気味であることは自覚がありつつ(献血行ったらヘモグロビンか何か足りてなくて断られた、お菓子をたくさん食べちゃったのでものすごくばつが悪かった記憶)何もしてなかったのだから仕方あるまい。

 具体的な調子の悪さだと、頭が重い、動悸がする、吐き気、朝起きるのつらい、極めつけは抑うつ。メンタル的な不調は貧血関係ないだろと思っていたが、憂鬱なども関係あるらしい、知らなかった。ただ、良いのか悪いのか、調子が悪いといいつつ、何かに夢中になっていると忘れてしまう調子の悪さである為、多分一般的には「ただの普通に元気な人」だと思われている気がする。その自信は大いにある。世間体的にはそれで構わないのだが、気が抜けると中毒症状が切れ調子の悪さが戻ってくるので一人になるとメソメソするというカラクリだ。まったく嫌になる。

 原因(仮)はそれとして、時間があるときに病院に行くなり食事を改善するなり適度に休むなりするしかない。気が向けば、だが。

 

カラオケ

 日中はだいぶ気温が上がるようになったが夜はまだまだ涼しい。いいぞ。

 過ごしやすいので時々歩く。今日のルートは途中にカラオケがあり、それなりにでかい箱だもんで、カラオケの敷地だけ異様に明るかった。ギランギランである。しばし目を奪われ、あまりの眩さにスマホで思わず写真を撮る。それを一体どうするのだ、というと、多分何もしない。カラオケ、ホテル、漫画喫茶。いくつもの箱が寄り集まった集合体。各々の部屋の住人がろくに顔合わせることなく独立している空間。なんだか蜂の巣っぽいなと思った。ぱたぱたとドアを開閉し出たり入ったりする人間たちは、さながら働き蜂のよう。

 

忘却

 アガサ・クリスティーの『象は忘れない』を読む。『五匹の子豚』と似ている。過去の未解決事件をポアロのその素晴らしい頭脳で解決してみせようぞ、という話。『五匹の子豚』は読んだ、読んだ。感想も書いた。で、どういう話だっけ? 何も覚えていなかった。本当に覚えていない。未解決の事件ですらどういう内容だったか覚えてないし、当然犯人も覚えていない。読み直せば流石に思い出すと思うが、それにしても見事な忘れっぷりで我ながら悲しくなる。悲しいので自分に言葉を贈ろう。『象は忘れない』より。

「象は忘れない」とミセズ・オリヴァは言った。「でも、わたしたちは人間ですからね、ありがたいことに、人間は忘れることができるんですよ」