海・海・海

 今日もまた海へ。

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 朝ご飯を食べる時間がなかったので、乗換の合間を狙って豚丼をテイクアウトして海を見ながら食べた。冬に、一人で、海を見ながら、豚丼を食べている人間なんてあまりいないだろうなあと思いながら、それでも食べた。もちろん豚丼は美味しかった。牛丼にしなかったのは少し冒険したかったから、だろうか。私は優柔不断なタイプなのだけれど(子供のころの通信簿には家族からの申し送り事項のところにいつも書かれていた。この子は優柔不断なので、と)優柔不断なのが嫌すぎて自分なりに矯正してきたところがある。大事なのは、自分が下した選択はその時点での最善だったのだと信じること(まあ、実際この考え方は正しいとは限らないのだが)。だから私は豚丼を注文したことを後悔しない。カレーも美味しそうだったけど。あとコンビニでゆでたまごも買って食べた。

 

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 村上春樹の旅エッセイ『雨天炎天』を旅のお供に。これがまたぴったりで、道中に読む本がいい感じだとテンションが上がる。この場に最適な曲を見つけられた時の嬉しさと同じである。図書館で借りた本だけれど、買ってもいいかなと思うので後で注文しておこう。

 

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 波打ち際を歩く。寄せては返す波の律動。腹の底から揺さぶるような確かな轟。際を歩いていく。振り返れば私の足跡。歩いてきた道が可視化されるのは妙にこそばゆい。早く波がさらって掻き消してくれないかと思い、前方遠くを眺めれば、一人、老婦人が私と同じように海と地上の境目を歩いていた。おそらく地元の方が散歩をしているのかなと思うのだが、どことなくたおやかで毅然とした雰囲気だった。私もあんな風にいられたらいいのだけれど。そうして老婦人のあとを追って砂浜を進んでいく。

 オレンジっぽい色をした貝殻がきめの細かい砂に半分埋まっているのを見つけた。かがんでそれを手に取るとそれは二枚貝の半分。打ち寄せる波でさっと濯ぎ、歩きながらぱたぱた振って水気をとる。既に拾っていた石(幾度となく波にもまれ角がとれた丸い石)を手のひらに乗せると、その上に拾った貝を被せる。そうしてぎゅっと手を握れば即席のマラカスの完成で、歩きながら、そうだな、修行中のお坊さんが鈴なのか鐘なのかを鳴らすように、きまったタイミングでシャカシャカと石を鳴らす。いつの間にか砂浜を出て路地へ。誰もいない、人気のない路地を簡易マラカスの音だけが鳴り響くのが面白くて、しばらくの間演奏を楽しんでいた。

 

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 そこは沙漠だそうで。

 

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 ラクダが目を向ける先は。

 

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 もちろん海。どうしてこうなったのかわからないので(何故ラクダ)後で調べておこうと思う。

 疲れてこれ以上は考えられないが、今日のことは明日以降整理して心の奥底に仕舞っておこう。