インスタントコーヒー

コーヒーの濃い薄いがよくわからない私だが、もしかしたらインスタントコーヒーを作るのは好きかもしれないと気がついた1月1日だった。マグカップに粉を入れて、お湯をとぽとぽと注ぎ、スプーンで溶かし、ついでに砂糖もいれて、出来上がった黒い液体を飲む。その一連の行為が好きだ。コーヒー。言うてそこまで飲まないけれども、先日も書いた通り、コーヒーは熱いか冷たいかそれが大事な飲み物で、金属バットが白球を的確に捉えた時に手から腕に伝わる快感と同じように、ここぞと言うときに飲むコーヒーは最高に美味しいと思う。コーヒーには情景がついてくる。その守備範囲がとても広い飲み物だ。

 

日記にせよ、メモ帳にせよ、その日初めて書くときに、私はきまって赤ペンで日付を書く。2022年1月1日なら「2022.1.1」と書く(そういえばここ数年で数字の2の書き方と5の書き方が変わった)。私にとって新年が明けたことのただ1つの実感は、2022年なのに「2021.1.1」と書いてしまう、この手に染み付いた癖を自覚することで、当分は「2021.1.3」といったように、2021年を生きようとしてしまうだろう。そして、やがて私は2022年を生きられるようになるだろう。半月くらいかな、間違えたら2本の横線を引いてその上に「2022」と書く。