祖母から両手に収まる日めくりカレンダーをもらった。私はそれを自分の机の私が見えるところに置いて、日記を書き終わったとき、あるいはデスクライトを消灯するとき、仕事に出かけるとき、一枚一枚ペリリと切り離す。
切り離すとき、私は蝋燭を吹き消しているような気持になる。
天井が高く、奥行きも広く、闇が漂うがらんどうの空間に、灯りが揺れる蝋燭が等間隔に並んでいる。どこまでも。ただひたすらに。私は毎夜毎夜、床に膝をついて背を折り曲げ口元を蝋燭に近づける。チリチリと頬の産毛が焦げるくらいに口元を寄せたら、ふっと軽やかに火を消す。そうして私の命はまた一つ尽きる。
そんなイメージ。新年が明けて、既に17回吹き消している。
明日もいい一日になればいいな。