2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

短歌と俳句(2022年6月)

短歌 空っぽの月が浮かぶ 空っぽの私がベンチに腰かける夜 急いでいるわけではない。月を見たい気分になったのでベンチに腰掛け空に浮かぶ月を眺める。と、雲が流れて月を隠してしまった。月を飲み込んだ空がうっすら柔らかく発光する。月があり、星があり、…

好きなところ、夏

考えてみた。 色が濃い 色が濃いので写真を撮ってて楽しい 冷たい食べ物がおいしい 冒険感がある(冬の旅は孤独の香りが強い) 「涼しさ」に対する解像度が上がる シャワーを浴びても寒くない サンダルを履けるしTシャツを着られる 「好きなところ」を挙げた…

梅雨があけた

空梅雨だと夏場の水不足が心配だと言ったそばから梅雨が明けやがった。スマホで梅雨明けの報を知ると思わず舌打ちして、そのあとがつんと落ち込んだ。幸いなことに落ち込みは一過性かつ短いものだったらしく昼に少し眠ったらだいぶ和らいでいた。その程度の…

肉を裂く

鶏むね肉を適度な大きさに切って、それを塩と砂糖に漬け込んで置いておいたものをレンジで温めれば、手製のサラダチキンのようなものができる。きゅうりの千切りと温もやしをボウルにあけて、サラダチキンをただひたすら細かく裂いて入れる。右の親指と人差…

黒い蝶

疲れていたので小一時間ほど眠った。相変わらず冷房はつけない。どうしてつけないの? 私もそう思う。例えば自分の祖父母が冷房をつけず扇風機一つで酷暑を乗り切ろうとしていたなら「んな馬鹿なこと言ってないでさっさとつけろ」と言うだろうけれど、殊に自…

スケッチ vol.3

今気になっていることも書き留めておかないと忘れてしまうので、カードに書き出して机の上にカードを置いておこう、メモホルダーが欲しい! ということで100均へ。 空き地にヒメジョオンがたくさん咲いていたのでカメラを取り出すと座り込んで何枚か撮る。ヒ…

アルパカは夢を見ないとか

ひょんなことから(端的に言うなら、好きなアイドルが歌っていた)優里「ドライフラワー」を認知する。これまで私はその音を知っていたのだけれど、タイトルは知らなかったのだ。 そして優里の楽曲を見てみる。あ、これは。 ペテルギウス、ミズキリ、シャッ…

生傷

今日は何を言っても駄目な一日で、じゃあ書かない方が良くない? という気持ちがありつつ書くというのが私の業である。 私の言いたいことが完璧に相手に伝わることはないし、逆に相手の言いたいことを完璧に理解することはできない。 昔から「生傷」が絶えな…

空 vol.1

ある日の夕暮れ時の空である。 だからなんだって話なのだけれど。 ベンチに座って45分ぐらい時間を潰していたので(なんと夕暮れ時に夕食代わりの弁当を食べるという芸当もやってのけた。「夕暮れ時ピクニック」は初めてのことなので面白い経験となった)刻…

タピオカミルクティー

頑張った自分にご褒美を、という考え方が昔からない。是が非でも欲しい、というものがなく(それは恵まれている(いた)からだと思う)「欲しいと思わない」というのは私なりの諦め方でもあった。欲望を肥大させるのは辛いだけと、ある時悟った。 とはいえ、…

aunt

「あんたおばさんになるのよ」 そう言われて5秒くらいしてから理解が追いついた。ふうん。そう。まあ、予想できたことだし驚かないのだけれど。 だから私は、 「おばさんじゃなくて「はるのさん」って呼ばせるから」 とだけ言って、シンクに溜まっていた使…

エンカウント

平日の散歩中に出会ったもの。 河川敷。謎の植物。宇宙ステーションっぽい形(私は宇宙に漂う構造物の正確な形を知らない)。河川敷というのは空気が複雑だ。きりっと鋭利な冷たさの風がやってきたかと思えば、むわっと生き物の気配がする熱い空気が頬を撫で…

アイスコーヒー

学生時代はノートとペンケースを鞄に放り込んでカフェやら喫茶店やらへよく行ったものだ。時には講義をすっぽかして。アイスコーヒーを一杯を傍らに、ノートをひらき当時は万年筆は持ってなかったから適当なボールペンを手にもって、とにかく色々なことを書…

ジョグ vol.9

ウォーターボトルを買ったので、もうペットボトルを買う必要はない。スポドリの粉末を適当な量入れて水を入れてバシャバシャ振る。イヤフォンをつけて、スマホと鍵をポケットに入れてボトルを持って外に出る。そしてゆっくりと走る。目分量で作るスポーツド…

echo

小さいころの記憶がまるでない。記憶は写真のような静止画でその数も少ない。ブランコ、キックボード、あとは、何だろう。無いな。自分がどういう子どもだったのかも覚えていないが、家族に言わせると、幼稚園時代に一度ブチ切れたことがあったらしい。 通っ…

パズル

パソコンがぶっ壊れたのでしばらくはスマホでブログを書くしかない。この事実に私はさめざめと泣いている。キーボードというインターフェースを愛しているのだということを失ってから気づいた。いや、失う前から気づいてたけど。楽器を弾くみたいに私はいつ…

点描

半袖では少し寒い夜だった。風が若干強い気がする。Stipplingという曲を聴きながら歩く。モノトーンの点描画ということらしい。私は「神隠し」という意味だったらいいなと思っていたので当てが外れたが、まあ、当たることはないよな。そもそも神隠しは英語だ…

「オタク」と鴨

私は無表情でスマホを眺めながら、何かを一途に好きになりたいと考えている。 どうも自分には「信じる心」が足りないように思うのだ。好きになることと信じることは分かちがたい。何か特定のものをものすごく好きになれたなら、それはとても幸せなことだと思…

月を見ていた

月を見ていた。それは昨晩のことだ。 キッチンペーパーと鰹節と中華スープの素がなくなってしまったので買い物がてら歩く。いいや、歩きたいがために買い物をする。 七分丈でちょうどいい夜だった。これからどんどん気温が高くなっていくのだろう。今年の私…

粘着

電車の車内。吊り革のところに立ってぼーっとしていたら、黒髪ボブでゆるくパーマをかけた女の人に割り込まれて私はちょっと押し出された。当の女性は自分の黒のリュックをどさっと手早く網棚の上に載せ、安定したポジションを確保してスマホを弄っている。…

調子悪い日前夜祭リスト

しょっちゅう気分が変わるので、私的調子悪い日前夜祭リストを作成してみる。いくつかの項目に該当していると、多分私は調子が悪い。放置していると回復するのに手間取る。 「さあ寝るぞ!と思う→潔く寝る」ができない(寝落ち、就寝時間が遅くなる等) 運動…

適切にチョコを食べる

『適切な世界の適切ならざる私』は文月悠光の詩集で、私はこの言葉がとても好きである。口に出して言いたい言葉だ。適切な世界の、適切ならざる私。 適切とは何か。適切というものはあるのか。 わからない。それがなんであれ、適切かどうかは恣意的なものだ…

メモランダム vol.7

思考が過剰気味だ。楽しいが収拾がつかなくなると困る。 喋るより 喋るより書いた方が楽なにんげんだ。喋ることに極端に苦手意識を持っているわけではない。考えていることはある。話すことには事欠かない。それを場のTPOに準じて変換する作業が面倒という感…

二子玉川・橋・遺言

川が好きなので川へ。 川はいいですな。 橋も好きだということに最近気づくわけだが、橋があるところには好きな川があることがひとつ、もうひとつは橋は両岸に架かる中立地帯であり、どこにも属さないけれど両岸がなければ成立しえない矛盾めいたところがい…

朝の匂い

外に出るということは、真夏のプールに飛び込むことに似ている、と気づく朝だった。勇気が必要。だからこそ気持ちが良いもの。 香るではなく、意識的に匂いを嗅ぐ。 外で、かつ、人がいない場合はマスクを外すようになったが、なるほど、空気は香るものだ。 …

レポートパッド

買いたい新書があったので書店に赴く。手っ取り早く検索機に著者名を入れると、ステータスは「残りわずか」とのこと。私も人間なので該当の本棚に向かう足ははやくなる。今この瞬間来店しているお客さんの中で私の買いたい本を買いたい人がいるとは思えない…