2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

メモランダム vol.3

スタートの総量 4月1日というのはスタートの総量が他の日と比べ物にならないくらい多そうで、桜を見ながら私はげんなりする。この世界において「始まり」というものがあるとして、それを365日(場合によっては366日)で割ってくれればこれほど大きなエネルギ…

電球

電球が切れてしまったので替えを買いに行く。電球の根元の金属部分は口金といい、ソケットにくるくるとねじこんで取り付けるわけだけども、この口金(「くちがね」と読む)のサイズが合わなければ電球を取り付けることができないので、わざわざ使用済みの電…

愛すべきものたち

今週のお題「デスクまわり」 どうやら自分がマグカップ好きである、ということに気づいたのは最近のことである。といっても、家にマグカップがたくさんあるわけではない。自分で買うことはあまりない。人からもらうこともない。唯一自分で買ったマグカップは…

黒はんぺん日記

生きていて、「眠れない」ということがほとんどないということはとても恵まれたことであるということを私は知っている。寝つきもとてもよく、一度眠れば朝までぐっすりと眠ることができる。この性質は私の活動性をそのまま担保してくれている。 が、今日に限…

海岸線

その日は曇りか、場合によっては雨模様になることは前からわかっていた。それと関係があるかはわからないが、前日寝る間際にセットした通り朝5時半のスマホのアラームで叩き起こされた私の機嫌は決して良いとは言えなかった。何かが澱んでいた。 朝からamaza…

片付け

机の上に本のタワーを建てがちである。読みかけの本が何冊も何冊も積まれたタワーは、不注意に肘で突けば崩れ落ち、私は不承不承散乱した本を積み直す。机の上を片付けるときは、タワーを根元からまるごろ抱え、よいしょと、移動するだけで何も変わらない。…

ホテルのベッド

布団の中でぬくぬくする季節もあともう少しか…と寝しなに淡く寂しい気持ちに襲われた。私は布団でぬくぬく暖まるのが好きだから。 寒がりではないと思う。いまだにヒートテックを着るのは固辞しているし(驚かれる)靴下は履かないし(でもようやく冬の間だ…

停電

『ボーン・クロックス』は好きな小説だったので買ってしまったわけだが、あの話はホリー・サイクスという一人の女性の人生を要所要所で描いた物語だった。最終章はホリーの晩年パートであり、世界がなんやかんやで激動の時代を経て、つかの間の凪のような時…

ワクチン接種3回目

新型コロナウイルスの3回目のワクチン接種をしてきた。1回目と2回目は自衛隊の大規模接種だったが、3回目は自治体が運営している会場だ。 正直打つかどうか迷った。 2回目の接種からおよそ6か月になるタイミングで自治体から封筒が届いたとき、即座に3回目を…

丘陵

電車に揺られて何処へ。 その日は山に出かけるつもりはなかったものの、山に行きたいという気持ちが湧いてくる。ぐっと堪えてとりあえず眼下に滔々と流れる大きな川を渡ることにする。遠くでは重機で土木作業。アームの部分が動くからか、あるいは私が歩いて…

フォークで食べたい

パスタを茹でる。7、8分ほど。パスタを茹でながら『ミルクとコロナ』を読む。いい往復エッセイだ。まだbefore コロナパートで筆者ふたりの育児をめぐる話が続く。お湯がぐらぐら揺れる。パスタが茹でられる。 面倒なので市販のパスタソースをかける。今日は…

ガリガリくん九州みかん味

二日連続で鶏皮案件とは。そこで思う、普段めちゃめちゃ機嫌良く生きているのだなということに。 こういうときは物事うまくいかないもので、やたらと信号に引っかかる気がするし、同僚の喋り方に腹が立つし(同族嫌悪的なもの)二車線の道路を信号がないとこ…

Can't you see me?

私のこと見えてないの? と言いたくなる夜もある。それはいくつになっても。私は平気なんだと強がることは己の首を絞める気がするから強がりたくない。「頑張ってないよ」と、他の人も言ってほしい。私も頑張らなくて済むから。どうか。 「誰も居ない」と思…

足を踏み外す

いい天気なのでたのしく散歩をしていると階段を見つける。よし、いいぞと思い、私はその階段を上り始める。ヘッドフォンから流れる音に身を浸していると、段差にかけた右足がスカッと空を切って体が傾いだ。倒れる体を手のひらが受け止め土が手についた。ぴ…

メモランダム vol.2

ゲートボール 広場の片隅でゲートボールに興じる人たちがいる。今日も陽ざしが強い。暑くてこれではやってられないと、木陰のベンチに腰掛ける。こつんこつんとボールを打つ音。笑い声も聞こえる。私は何をするわけでもなくスマホを操作し、上着のポケットに…

賢者様

スマホ向け育成ゲーム『魔法使いの約束』を今まで3回インストールして3回アンインストールしてきた。ゲームシステムがどうも苦手らしい。登場する魔法使いたちを好きになりたいというのに、それはどうやら無理そうだと、休日、土曜日の起きがけにちょこちょ…

20220311

出かける。今回は(今回も?)海の方へ。道中のお供は、彩瀬まるの『やがて海へと届く』。意図したわけではないが今日は東日本大震災から11年。毎年この時期になると読みたくなる、いや、読まなければならないと感じる。 朝マック 10:21というぎりぎりの時間…

メモランダム vol.1

プール 慣れた塩素の匂いに安堵する。水にぬれたタイル張りの床をぺたぺたと歩いてプールに向かう。「泳ぐことってとてもシンプルだけど、同時に複雑で贅沢ね」と思いながら。事実、25mプールに使われる水でどれほどの人の命を繋げることができるのだろう。…

るとよ

日記歴、13年くらい?わからんけど。面白いことにまだまだ手書きの文字が変化している。最近は「る」と「よ」の境界が曖昧になりつつある。 手書きにもいくつかギアのようなものがあって、速記で乱雑なところから、ゆっくりと丁寧まで、グラデーションの中を…

ポップコーン vol.2

セブンイレブンのポップコーン(塩バター風味のポップコーン)を買って食べてみる。家の鍋でぱんぱか弾けさせたポップコーン(爆裂種を油をひいた鍋にざらざらと入れて蓋をして加熱させる)の方が1.5倍くらいおいしいと思った。私のお気に入りの食べ方は醤油…

風呂敷

風呂敷を買う。なかなか持ち歩く習慣がつかないエコバッグの代わりになればいいなという願いを込めて。 本を返し再び借りるべく図書館に行くので、試しに風呂敷で包んでみることにする(返却する本は8冊)。広げた風呂敷の真ん中に本を平積みにして、対角線…

買い物

買わなければいけないものがあったので街まで。 映画『魔女の宅急便』の中で好きなシーンがいくつかあって、その内のひとつはおソノさんがキキにインスタントコーヒーを作ってあげるところ。幼心に印象に残ってるシーンで、コーヒーを飲めるようになってから…

ジョグ vol.7

今日も今日とて走る。履きなれた蛍光ピンクのシューズに足を入れ外に出ると案外寒くて体に震えが走った。こんなはずではなかった。とはいえ、10分も走れば寒さなどどこ吹く風になることを経験上知っている。走り始める。 夜は何にも見えないなあと思う。当た…

A5の下敷き

ノートにものを書くとき、筆記具は用途に応じて大きく分けて三種類に分かれる。 ボールペン(無難/ちょっとしたメモに使う/短距離用) 万年筆(しっかり/考え事を綴るときに使う/長距離用) シャープペンシル(スケッチ用/勉強用) さて。昔からのこだ…

I"ll be right here.

川。鴨(おそらく)。 それはお互い様だろうけれど、自分以外の他人がどんどん遠ざかっていく気がして寂しい、というより不安になる。不安になるのは、自分がどこにも行けていないような、進歩していないような気がするからで、そもそも進歩する必要ってある…

餡饅

コンビニの餡饅を食べたいなと思ってこのところ機会をうかがっていたのだが、ようやく見つけたので買ってみた。そろそろコンビニの中華まんは販売を終えてしまうのではないかと思っていたので(そしてまた寒い季節になったら復活する)気が気でなかったのだ…